結婚するメリットってあるの?-結婚の本当の目的
結婚するメリット・コスパという話題について思うこと
「独立して生計を立てられる人にとって結婚するメリットはない」「結婚はコスパが悪いのでは?」という話題を耳にすることがたまにあります。
こういった話について、メリット・コスパという観点からは全く同意します。夫婦生活も別に結婚という形をとる必要はなく、恋人関係を持続し、一緒に住みたければ同棲すればいいですし、いつでも別れられるようにしていた方が、後々関係が冷え込んだ時にも動きやすいです。
しかし、それでも私は結婚した方がいいと思っています。というのも、結婚というのは自分のためにするものではないと考えるからです。
結婚するのは誰のため?
あなたが自分のためだけに生き、自分のためだけに死ぬとします。最期は病院のベッドで誰からも看取られず、誰にも悲しまれずにひっそりと死を迎えます。その時、死の瞬間に何を考えるでしょうか。きっと「自分は何のためにこの世に生まれてきたんだろうな」と思ってしまうと思います。
私たちは何のためにこの世に生まれてきているのでしょうか。自分のことだけ考えたら生まれてきた理由が見えてきません。私たちが生まれてきた理由。それは、「次の世代に命をつなぐため」です。なぜそんなことをしないといけないのかはわかりませんが、我々は今の世代に命をつなぐためにこの世に生まれ、また次の世代に命をつなぐために生きています。
そんなことを言うと、子供ができない夫婦はどうするんだとか、子供が欲しいのに、いない人のことを考えろとか批判を受けるかもしれませんが、そういった人が精いっぱい自分の人生を伴侶と共に生き、幸せな人生を全うすることを否定するつもりは全くありません。
ただ、人というのは次の世代に命をつなぐ目的でこの世に生を受け、その目的を果たすために本能的に安定して次世代に命をつなぐ環境を求めてしまう。その過程で、子供ができないという状況であったとしても結婚に幸せを求めてしまうし、実際に幸せになっていると考えているというだけです。
一方で、不倫や浮気の話が絶えない状況を、道徳や倫理の話を一旦横において客観的に考えると、人は生物的には多夫多妻制の生き物なのではないかと思います。ボノボという性行為をコミュニケーションの手段として使うサルがいますが、そういった生き物と同じです。
そういった生き物であるにもかかわらず、結婚という一夫一妻のルールを敷いてデメリットも多くコスパも悪い関係を維持しようというのは、安定した環境で子孫を残すという目的があってのことです。
例えば、子供が生まれると国としてどこかの施設で集中的に管理される世界で、子供はいくら生んでも大丈夫!全く負担なし!といったような世界であれば結婚という仕組み自体がなくなるのではないでしょうか。ただの恋愛関係で生涯添い遂げるということはあると思いますが、結婚という強制的に一夫一妻となり互いに支え合うという制度は不要だという意味です。
結婚は人生の墓場?
結婚にはデメリットも多いとか、コスパが悪いとかそういった話でしたが、では私が結婚をつらいと感じているのかというと全くそんなことはありません。結婚しているということで、精神的な支えになっていますし、頑張ろうという気持ちが生まれます。
最近つくづく思うのですが、私たちは結局大事な誰かために頑張ろうという時に一番頑張れるのではないかと思います。誰かを喜ばせたい、いい意味で驚かせたいという気持ちが幸福を感じるうえで重要で、そのことに気が付かず、自分がいい思いをするためだけに頑張っているとどこかでむなしさを感じてしまうのではないかと思います。
結婚はそういう自分が頑張りたいと思う大事な誰かを作る分かりやすい儀式です。決して誰かに頑張ってもらうためのものではありません。お互いに「自分が頑張るための大事な誰かを見つけたい」という気持ちで結婚するのと、逆にお互いが「誰かが自分のために頑張ってくれて楽したい」という気持ちで結婚するのとで、かけがえのない自分の居場所になるのか、人生の墓場になるのかが違ってきます。